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身近にある素材を用いながら、カメラに映った現象を手がかりに映像を制作していく。緩衝材をライティングすることで、朝から夜へと移り変わり行く光景をモチーフとして時間軸を構成した。その中で、緩衝材に光を当てたことで背景の壁にできた影が遠景を生成していく。素材が持つ透明感と影とのコントラストは水墨画の様相を帯びはじめ、その輪郭は山々の稜線へと姿を変えていた。悠大な風景への見立てが生み出した空間は静かなる時間へとつながった。その流れは山々 に起きている変化さえ飲み込んでしまうかもしれない。しかし、そのことまで含めて時間というものの本質であり、矢のごとく過ぎ行く日々の裏返しでもある。 光があることでものの立体情報が明らかとなり、同時に平面的な影の濃淡が立体的な視覚を誘発する。陰と影が入り混じった世界で、映像の要素である光と時間についての模索を行った。
2016/5
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