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The Stream of Stones

石を見つめていると、その時間に想いをはせることがある。石は何千年、何万年、何億年もの時を経ながら、何かしらの因果によって今日その場に存在している。必ず何かによって運ばれこの形へと落ち着いたのである。そんな石を前に、どんな映像が考えられるか。私は1つ1つを動かすのではなく、カメラを動かすことで全体を捉えたまま映像にすることにした。少なからず痛みながら揉まれてきたであろう激しい時間の流れを表そうと、私はカメラとともにくるくると回り続けた。もっと早く、もっと激しく。そうして得られた回転の軌跡を徐々に重ねながら、重層的な流れを生み出そうとした。渦の中で彷徨い絡んでいく石たちの表情は亡霊のようにも見え、時間構成の緩急、画像の拡大・縮小によってさらにその要素を深めていった。全体としては石のみた夢として、夢の中では動いていた(動かされていた)が結局現在の状態に戻る、といった構成を試みた。

2016/5

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